脳科学ブログ

2020.01.17

打倒!ストレスホルモン~分割睡眠でもっと人生を豊かに!①

セミナー 脳科学 記憶

打倒!ストレスホルモン~分割睡眠でもっと人生を豊かに!①

日本人は睡眠不足?

朝の通勤電車、わずかな時間の睡眠を貪るサラリーマン達…日本ではおなじみの光景ですが、外国人の目には異様に映るそうです。今や「INEMURI(居眠り)」は世界に広く知られた日本独特の文化。外国の人々はその無防備さに驚きを隠せないのだとか。

すきま時間の居眠りが当たり前な日本人。原因として、日本人全体の慢性的な睡眠不足があげられます。全米睡眠財団(National Sleep Foundation)が6ヶ国に大して行った調査結果によると、日本人の平均睡眠時間は最短の6時間22分。イギリス、ドイツ、カナダ、メキシコの7時間前後、アメリカの6時間半を下回り、世界と比較しても国民全体が寝不足であることが伺えます。

睡眠は記憶の定着など、脳の活性化にも深い関わりがあります。日本人の抱える大きな課題のひとつである睡眠に注目し、睡眠が足りないとどうなってしまうのか?どうやったら私たちはそのデメリットを克服できるのか、全3回の記事でご紹介していきます。

ストレスホルモン、「コルチゾール」

朝、私たちが目覚めると真っ先にコルチゾールと呼ばれるホルモンが分泌され、体と脳を覚醒させます。コルチゾールには、寝ぼけている脳に緊張(ストレス)を与えて、ピシっと目覚めさせる大切な役割があり、1日の生活を始めるにあたって必要不可欠なホルモンなのです。

しかしこのコルチゾール、ストレス状態に陥ることでも分泌され生活の質に影響を与えます。ストレスを感じると、体は危険を感じてピンと糸が張っているような緊張状態になります。体が休息を求めている時にコルチゾールが分泌されたままでは、気をゆるめて休むことはできません。

コルチゾールが過剰に分泌されてしまうと、睡眠の質の低下や、不眠といったさまざまな悪影響を体にもたらしてしまうのです。

なぜ日本人はストレスを感じやすいの?

本来ストレスは、神経を研ぎ澄まし己の身を守るための体の仕組み。高度に文明が発達し、差し迫る身の危険などほとんどない私たちは、なぜこれほどまでにストレスにさらされてしまうのでしょうか?

日本の場合、島国の伝統でもある相互監視の村社会的な風土が原因のひとつと言えそうです。コルチゾールは他者の評価を一方的に受ける立場など、「己がコントロール不可能な状況」に大して取り分け多く分泌されることが知られています。

仕事、学業、SNS…私たちはさまざまな集団の中でより多くの「他者からの評価」にさらされています。人目を気にしたり、立ち振る舞いをこれでいいかと自問自答する時、人の脳からはコルチゾールが多く分泌されるのです。

居眠りは有効!休息時もオンオフを意識しよう

ではコルチゾールの過度な分泌を抑えるにはどうしたらよいのでしょうか。実は、冒頭で述べた「居眠り」にコルチゾールの分泌を抑える作用があることが医学的に証明されています。というのも、外国で言うシエスタ…昼食後の仮眠や、電車での仮眠後、人の血中に含まれるコルチゾール濃度が低下したというデータが存在しているからです。

睡眠をとる時の心がけで、コルチゾールの分泌を抑制して質の良い眠りにすることも可能です。寝る前に仕事のメールをチェックしない、SNSの閲覧を控える、といった具合にコルチゾールのスイッチとなる行動をしないことが大切です。

とはいえ、枕元にケータイがあればついつい見てしまいますよね…そこでオススメなのが、「寝室を多目的スペースにしない」という心がけです。

寝室はただ寝るためだけに使う部屋と決めましょう。デジタルモニターや電子機器の持ち込みを禁止すれば、光の刺激もなくなりより睡眠の質が向上します。

今回はストレスを司る「コルチゾール」の働きと、睡眠との関係についてご紹介しました。次回ではまとまった睡眠時間がそもそも取れないという方のために、少ない時間で効率よく休息をとる「うたた寝」の極意についてお話します!

次の記事はこちら>>